1月写真五七五例会

第１部　題詠会　　題詠会まとめ　志田統一

中国のとある町の運河沿いの夕景を課題写真に選びました。
運河も舗道もよく整備され，また柳の並木も植えられ，きれいに整った感じですが，薄暗く，人通りも絶えて，何となく陰鬱な雰囲気が漂います。また，運河の奥にある半円のアーチ型の石橋は，運河特有のものですが，水面にその姿が映って，まん丸い窓が開いているように見え，異様です。
季節感が感じられませんので，俳句を詠むのは難しい写真ですが，結果的には，写真による拘束がない分，却って自由な発想を呼ぶのでしょう，春から冬までの変化に富んだ面白い句が詠まれました。
ご承知の通り，中国では，古くから運河が作られており，特に隋の煬帝により，華北(北京)と江南を繋ぐ大運河が構築され，物流の大動脈として活躍しました。欧米では，近代に入り多くの運河が構築され，特にイギリスでは産業革命の原動力になりました。しかし，近年は鉄道や自動車の発達に押され，観光用などのごく一部を除いては，衰退の一途にあります。

第２部　作品紹介・合評

年末年始の行事を題材に多くの句が詠まれました。
去年暮れには，平成も来年4月までと決まり，何となく寂しい感じが致します。
「平成」の時代は，経済面では，例えば「失われた20年」に代表されるような困難がありましたし，東日本大震災を始めとして多くの災害にも見舞われましたが，それでも平和に暮らせたことは，何ものにも代え難く，幸せという他はありません。これからも，このように平和で平安な世が続くように祈るばかりです。