12月写真五七五例会

第１部　学習会　

　　　　◎講師　井出　英雄 (井出半句) さん
「添削例から学ぶ俳句」　　添削例：NHK俳句 2022, 11月号より、　　添削者：井上博美、星野高士、堀本裕樹
　　我々と同程度の作者が詠んだ俳句は上級者や講師の目にはどう映るのか。　初心者には初歩的な誤りや冗長的な表現など我々に
　も共通するところが多い。　以下6つの原句と、それに対すNHK選者の見解と添削句を比較してみたい。この事によって、少なくとも初歩
　的な基礎とある程度の批評眼を学べるのではないかと思う。
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原句１　　　花野行き鈍行列車吾ひとり
　・「鈍行列車が目立って「花野」が引き立たない。　・「花野へと向かう」とすると方向と時間をとらえることができて、「花野」を楽しみにする
　期待感が表現できる。　　・「列車」という名詞を省くことで、調べも滑らかになる。。
　添削句１ 花野へと向かふ鈍行吾ひとり
原句2　　　 エールフランス花野の端(は)より飛び立ちぬ
　・「ｴｰﾙﾌﾗﾝｽ」と「花野」の組み合わせは、抜群。　　・中七の「端(は)」は名詞で、場所を明瞭に表している。　　・ここを「かすめ」とすると
　次第に高度が上がって、眼下に「花野」が広がって行く様子が見える。
　添削句２　エールフランス花野をかすめ飛び立ちぬ
原句３　　　庭に立ち空見上げれば天高し
　・愛着のある庭で、秋晴れの空を見上げている作者の清々しい気持ちが出ているが、空と天と二つの同じ場所を描いているのが残念
　・俳句は省略が大事。本題である下五を生かす。消えた部分の文字を探すのも俳句作りの楽しさ。
　添削句３　庭に出て見上ぐるたびに天高し
原句４　　　風紋のうねりどこまで天高し
　・うねりという表現は新しい発見で広々とした砂丘を連想させて効果的。
　・問題は作者の目線が風紋からいきなり天高しに行くところ。やや、距離感が過ぎている。
　添削句４　風紋のうねりの果ての天高し
※；以下の2句は、原句と添削句のみ、表記。
原句５　　　峯寺の九輪はるかに天高し　　　　　　　　　　　添削句５　　　峯寺の九輪遥拝天高し
原句６　　　色なき風ゆっくり畳む破れ地図　　　　　　　　　　添削句６　　破れ地図ゆっくりたたみ秋の風　　　　　以　　上
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