研修会

第９４回研修会「那須･大田原地方の歴史探訪」は令和７年１１月１９日（水）に会員１３名が参加して実施しました。この地方は古墳の密集地でその資料を展示している「なす風土記の丘湯津上資料館」と「下侍塚古墳」、源平時代で有名な那須与一について展示している「与一伝承館」、国宝「那須国造碑」がご神体の「笠石神社」を見学、参拝しました。
今回も晴天に恵まれ、ガイドさんの道中の案内を楽しみながら、予定通り最初の目的地、「なす風土記の丘湯津上資料館」に到着しました。

１．「なす風土記の丘湯津上資料館」と「下侍塚古墳」

　那須･大田原地方は全国でも有数の古墳の集積地で、その資料などを展示している「なす風土記の丘湯津上資料館」を見学しました。古墳の分布、古墳からの出土品、1692年の徳川光圀による発掘調査や国宝「那須国造碑」などについて学芸員の方より詳しく説明を受けました。
その後、近くの「下侍塚古墳」に向かいました。丁度、年末までの予定で発掘調査が行われており、めったに見ることの出来ない調査の状況などを見学出来ました。発掘の責任者の方より詳細な説明を受け、会員からの質問も多く、興味深い見学でした。

「なす風土記の丘湯津上資料館」前にて

「資料館」にて説明を受ける会員
「下侍塚古墳」の全景

「下侍塚古墳」の発掘調査を見学する会員
「下侍塚古墳」の発掘調査を見学する会員

　「なす風土記の丘湯津上資料館」を後にして、道の駅「那須与一の郷」内にある「那須与一伝承館」に向かいました。

２．「那須与一伝承館」

　道の駅「那須与一の郷」内にある「那須与一伝承館」は平家物語で有名な那須与一について展示している施設です。最初に「扇の的劇場」にて屋島合戦における那須与一の活躍をからくり人形と三面ワイドスクリーンにて紹介されています。
その後、館長様より、那須家や那須与一、黒羽藩大関家に関する展示の説明を受けました。
特別展として「終戦８０年記念展として大田原市内にあった「陸軍金丸原飛行場」など戦争遺産や関連資料が展示されていました。
「那須与一伝承館」の見学を終え、蕎麦処「扇亭」で昼食をとり、その後、近くの那須神社を参拝しました。那須神社は仁徳天皇時代に創建されたと伝えられ、天正５年に黒羽城主大関氏によって本殿、拝殿、楼門が再興されたもので、平成26年に国の重要文化財に指定されています。

「与一伝承館」前にて

与一伝承館にて説明を受ける会員
那須神社楼門にて

３．「笠石神社」と国宝「那須国造碑」

1676年僧侶円順により「那須国造碑」が発見され、そのことを知った水戸光圀が碑の重要性を認識し、1687年に覆堂を建てて保護した。これが笠石神社の起源でご神体は「那須国造碑」そのものである。「那須国造碑」は日本三古碑の一つで昭和27年に国宝に指定されている。
宮司様より、碑の発見、水戸光圀による碑堂の建立、碑文の内容、文字の書体など詳細な説明がありました。その後、本堂に安置されている「那須国造碑」を拝観しました。
境内には徳川光圀による上、下侍塚古墳の考古学的発掘が行われたことで「日本考古学発祥の地」の祈念碑が建立されています。

笠石神社前にて

笠石神社本殿
宮司様より説明を受ける会員

今回の研修会はこれまでの研修会とは若干異なり、歴史探訪の研修会でしたが、見学先の関係者の方々と参加いただいた会員皆様のご協力のおかげで、研修会らしい刺激の多い一日を過ごすことが出来ました。

一日中晴天に恵まれ、予定通り全員無事に帰着しました。